10月になりました。先月末に大型の台風24号が日本に上陸し騒がしい月初めとなりましたが、今は台風一過、昨日の強風と大雨がウソのような快晴です。今回の台風でも各地で様々な被害が出ています。心からお見舞い申し上げますとともに、もうこれ以上災害が起こらないことを願うばかりです。
さて、今月の掲示板の言葉は、前回掲載したことがある妙好人、浅原才市さんのお詩です。なんとも語呂のよい詩で、何回でも口ずさみたくなります。内容については何も解説がいらないほど平易な言葉で綴られていますが、このやさしい言葉の奥には深い味わいがあるように思います。
浄土真宗のみ教えは、「絶対に腹を立ててはいけない」というものでもなければ、「愚痴をこぼしてはいけない」というようなものでもありませんでした。腹を立てるのはよくないことだと知ってはいても腹は立ってしまうし、愚痴をこぼしたくなくても腹の底から溢れ出てしまうのが私たちでした。
阿弥陀さまは、そんな私を責めはしないですが、放っておかれる仏さまでもありませんでした。行き場のない怒りも、誰にも受け止めてもらえないような愚痴も、「私が受け止めていこうぞ」というてくださるのが私たちの阿弥陀さまでありました。そして、行き場を得た怒りや愚痴は自然と納まっていくように思います。
腹が立った回数を数えるとむなしい気持ちになりますが、おかげで何回阿弥陀さまのぬくもりに触れることができただろうかと思うと「怒り」の受け止めも随分変わってくるようです。
「腹が立つときゃ ぶつぶつ申せ
ぶつもぶつぶつ なもあみだぶつ」
お彼岸過ぎて少しずつ寒くなっていくこれから、阿弥陀さまのぬくもりを感じながら1日1日を大切に過ごしたいなと思います。
合掌