2018年11月28日水曜日

報恩講を終えて


 先日11月25日、快晴のもと、無事当山誓林寺の報恩講法要を勤めることができましたこと、まことに嬉しく有難く思います。報恩講は、仏具をおみがきしてくださった婦人会の役員さん、数日かけて立派な松の立花を生けてくださったご門徒さんや、幕を張り、旗を出し、会場を整え、駐車場の案内をし、参拝者の受付をしてくださった世話方のみなさん、参拝者のお斎を作ってくださった婦人会の方々のご協力があってこそ準備が整い、そして報恩講に参拝してくださるご門徒さんたちがいてはじめて迎えることができます。ご協力をいただいた方々、報恩講にお参りくださったみなさま、まことにありがとうございました。来年もよろしくお願いいたします。

 さて、報恩講を勤めさせていただく意義は、宗祖親鸞聖人のご苦労に報恩感謝をすることですが、なによりの「報恩」は、私たち一人ひとりが阿弥陀さまに出遇わせていただくことでありました。
 この度は、若院が京都の伝道院でお世話になった藤本文隆先生にお取り次ぎをいただきました。「なもあみだぶつ」というお念仏は、私のいのちを支えてくださる言葉として阿弥陀さまから届けられていること。そして、阿弥陀さまは、太陽が野に咲く小さな花にもさんさんと光を降り注ぎ、そのいのちを輝かしていくように、私のいのちを照らし、ぬくもりを与え輝かしてくださる、そんな仏さまでることをお聞かせいただきました。また、ご法義は人を通して伝わっていくのであり、日常や法事、お寺の法要などの中で宗教的空間を共にすることの大切さを改めて教えていただきました。これからもみなさまとご一緒に阿弥陀さまのおみのりをお聴聞して参りたいと思います。

〔おまけ〕
 今年も去年に引き続き、お昼の休憩時間に絵解きをさせていただきました。2年目で、まだまだこれからも手探りは続きますが、楽しみながら聞いてくださる方もいてホッとしています。完結まであと6年、私自身も楽しみながら続けていきたいと思います(完結してもまた初めからやる予定です)。初めて聞きに来てくださる方も楽しんでいただけるように工夫しながらやっていきますので、今年来られなかった方も、来年からぜひ来てみてください。

合掌

2018年11月3日土曜日

11月行事のご案内


法座のご案内です。
11月25日()午前10時~、午後1時~
 誓林寺の報恩講
 をお勤めいたします。
 ・お勤め 正信偈(行譜、草譜)
      御伝鈔(上巻 第三段、第四段)
      御俗姓
 ・法話  藤本 文隆師 〔奈良教区 添下組 西教寺〕
   
  ☆お斎(おとき:食事のこと)が出ます。
   また、お昼休憩の間に若院による御絵伝※の絵解きもあります。
   (15分程度、同内容のものを2回します)
   ※御絵伝は親鸞聖人のご生涯を絵であらわしたものです。


 報恩講とは、ご開山親鸞聖人のご命日法要です。この法要を通して、浄土真宗のみ教えを生涯をかけてお伝えくださった親鸞聖人のご苦労を偲び、そのおかげで今、阿弥陀さまに出遇えたご恩に報謝するのです。親鸞聖人がおられなかったら浄土真宗はありません。だからこそ、1年を通して一番丁寧にお荘厳(お飾り)をして報恩講をお迎えさせていただきます。

 「1年は報恩講のために 報恩講は1年のために」

 親鸞聖人のご恩を思いつつ、阿弥陀さまのぬくもりをみんなで感じさせていただく、そんな報恩講にさせていただきたいなと思います。どうぞお誘い合わせてお参りくださいませ。


2018年11月の掲示板



 11月になり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。この冷え込みがキレイな紅葉を作るそうですが、今年は台風の影響で銀杏や楓などすでにほとんど落葉してしまったものもあり、少し寂しい秋になりそうです。残った葉っぱの中には、立派に紅葉するものもあれば枯れて落ちてしまうものもあるでしょう。しかし、それぞれがそれぞれの役割をしっかりと果たして次に来る季節に備えていのちを繋いでいくのでしょう。私たちはついつい目立つものに目を惹かれがちですが、目も向けないようなところにこそ実は大切なものがたくさん隠れているのかもしれません。

 さて、今月の掲示板の言葉は島根県の妙好人、善太郎さんのお言葉です。「ご恩」という言葉をなかなか日常で使わなくなってきましたが、大切に残していきたい言葉だなと思います。「恩」という字を『漢語林』で引いてみると、上の「因」という字に「いつくしむ」という意味があり、それに「心」がついて「いつくしむこころ」を表すのだそうです。そして、それを受けた者が有難く思う行為のことも「恩」というのだそうです。また「恩恵」と熟語するように、「めぐみ」という意味もあります。いずれにしても私のいのちを支え、大切にしてくれる思いやモノのことですね。

 「芋もご恩 大根もご恩 ごぼうもご恩」

 私の周りには気付かないだけでたくさんの「ご恩」が溢れています。見逃してきた大切な「ご恩」がたくさんあるのでしょう。これからもいっぱい見逃してしまうかもしれません。だからこそ、普段から身近なところから「ご恩」を見つける練習をしていきたいなと思います。特に今月は報恩講が勤まります。仏さまのご恩、親鸞聖人のご恩、皆さんとご一緒にしっかりとお聞かせいただきたいなと思います。
合掌