2018年11月3日土曜日

2018年11月の掲示板



 11月になり、朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。この冷え込みがキレイな紅葉を作るそうですが、今年は台風の影響で銀杏や楓などすでにほとんど落葉してしまったものもあり、少し寂しい秋になりそうです。残った葉っぱの中には、立派に紅葉するものもあれば枯れて落ちてしまうものもあるでしょう。しかし、それぞれがそれぞれの役割をしっかりと果たして次に来る季節に備えていのちを繋いでいくのでしょう。私たちはついつい目立つものに目を惹かれがちですが、目も向けないようなところにこそ実は大切なものがたくさん隠れているのかもしれません。

 さて、今月の掲示板の言葉は島根県の妙好人、善太郎さんのお言葉です。「ご恩」という言葉をなかなか日常で使わなくなってきましたが、大切に残していきたい言葉だなと思います。「恩」という字を『漢語林』で引いてみると、上の「因」という字に「いつくしむ」という意味があり、それに「心」がついて「いつくしむこころ」を表すのだそうです。そして、それを受けた者が有難く思う行為のことも「恩」というのだそうです。また「恩恵」と熟語するように、「めぐみ」という意味もあります。いずれにしても私のいのちを支え、大切にしてくれる思いやモノのことですね。

 「芋もご恩 大根もご恩 ごぼうもご恩」

 私の周りには気付かないだけでたくさんの「ご恩」が溢れています。見逃してきた大切な「ご恩」がたくさんあるのでしょう。これからもいっぱい見逃してしまうかもしれません。だからこそ、普段から身近なところから「ご恩」を見つける練習をしていきたいなと思います。特に今月は報恩講が勤まります。仏さまのご恩、親鸞聖人のご恩、皆さんとご一緒にしっかりとお聞かせいただきたいなと思います。
合掌


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